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なかなかヘビィな状況になってきましたФ=Ф('、3_ヽ)_
肝心のくっつくところがうまくすり合わず、うんうん唸ってます。
書きたいエピソードが結構削れるので、それはまたいずれ…
Licht
2018/09/25(火) 06:39 護衛騎士と主君 PERMALINK COM(0)
随時、加筆修正します。
本編か分冊(ノベルティ)のどちらかの巻末にいれたいなとポチポチしています。

【登場人物/用語集】
『バイルシュミット家』
プロイツェン王国の前、神聖ローマ・ドイツ帝国より続く公爵家。
王国に点在する前文明の遺産を管理している。
『エーデルシュタイン家』
かつて神聖ローマ・ドイツ帝国皇帝を選出した大公公爵家。
バイルシュミット家と同じく前文明の遺産の管理をしておりヘーテルヴァーリ家より受け継いだ遺産の一部も保持している。
『ヘーテルヴァーリ家』
バイルシュミット・エーデルシュタインと並ぶ四大貴族のひとつ。
前文明の遺産を多く保持し禁止されている遺伝子操作した「強化人間」を作り上げていたが
そのことがサディク・アドナンに知られ粛清される。遺産はサディクとエーデルシュタイン家に分けられた。
『オスマン帝国』
プロイツェン王国の南に位置する大帝国。前文明の遺産技術を戦争で使用しない等の『大条例』の管理一族、アドナン家が現在のスルタン。
『ヴァルガス家』
ローマを大当主としローマ帝国の栄華を築いた。膨大な遺産の管理、保持をしている。

*****
『運命の子』
各地様々な伝承や逸話が残され地域によっては神の子として崇拝される。
「旧文明人の先祖帰り」でその事実は極一部のみに知られる。
『銀の子』
肌が白く、髪の色素も薄いため白銀の髪を持つ場合が多い。但しアルビノではない。通常の人間の数倍から数十倍の身体能力を持つ。金の子よりも出生率は低い。
『金の子』
突然変異で体の一部に金色を持つ。超直感に優れ、未来視とすら呼ばれる。
『強化人間』
ヘーテルヴァーリ家が遺産を使用し身体能力を強化した人間。全部で数十人から百を超えるとも言われていたが詳細は不明。
サディク率いる殲滅部隊によってその殆どが処分されたが失敗作とし隔離されていた子供――エリザベータのみサディクのもとに引き取られた。

*****
「ギルベルト・バイルシュミット」
菊の護衛部隊隊長。元プロイツェン王国第四六代団長。就任期間は短いがその無表情から出される正確な作戦指揮と合理的思考から冷酷無慈悲な騎士団長と国の内外から恐れられていた。
バイルシュミット公爵家の次男。「銀の子」。普段の瞳は真紅だが時折、朝焼け色(瞳の半分が青みがかった色)になる。
「菊・フォン・プロイツェン(母方性:本田)」
プロイツェン王国第十三王子。金の子のため王位継承権を持たず「フォン」の称号を与えられている。
極東の双国である「日ノ本」の王族を母に持つ。中隊規模(二百人程度)の護衛部隊を保持する。
普段の瞳は鈍い琥珀色だが超直感や感情が高ぶると黄金に変わる。
「ローデリヒ・エーデルシュタイン」
エーデルシュタイン家現当主。護衛部隊、小隊長。ギルベルトの従兄弟。『運命の子』であるギルベルトと『強化人間』のエリザベータに挟まれつつもマイペースに過ごす。
父親がサディクと面識があったため予期せずヘーテルヴァーリ家の遺産も加わりその管理に手を追う。趣味はお菓子作りで毎朝ピアノを弾くのが日課。
「エリザベータ・ヘーテルヴァーリ」
護衛部隊、小隊長。ヘーテルヴァーリ家によって生み出された強化人間。当時は能力が乏しくなく失敗作とされたが軍学校時代にその能力が開放されている。
銀の子より劣るが通常の人間の倍の力を持つ。サディクに暗殺者として育てられるがローデリヒの元へ従属することとなり本人はそのことについて異論はない。
初めてローデリヒを見たとき自分の理想の王子様だったため色々とローデリヒに弱いところがある乙女である。
「サディク・アドナン」
病床の父親を殺し即位した兄を義と民衆の力で失脚させ、スルタンとなった。『大条例』を管理する一族でかつて禁忌を犯したヘーテルヴァーリ家を粛清した人物である。
幼少の菊達にある日助けられ、その慈悲と菊の姿に惚れ込んでおり(崇拝に近い)個人的な交流を交わす仲に。
口数少なくことあるごとに反抗気味な、色のない『運命の子』を従える。
「フェリシアーノ・ヴァルガス」
護衛部隊、小隊長。大君主ローマの孫で皇帝になるはずだったがまだ幼かったためロヴィーノと共に幽閉されていた。
かつての臣下からプロイツェン王国の金の子暗殺を条件に開放されるはずだったが暗殺が失敗し菊の元で過ごすことに。
金の子だが菊よりも超直感に優れ頻繁に予知夢を見る。
ローマ帝国にある旧文明の巨大遺産の起動キーとなる等、謎が多い。
「ロヴィーノ・ヴァルガス」
フェリシアーノの兄。なんでもそつなく熟す弟を口では妬みつつも誇りとしている。フェリシアーノの能力が暴走した際の制止役。
色のない『運命の子』。フェリシアーノの小隊に組する分隊長。
「フランシス・ボヌフォア」
護衛部隊、小隊長。ギルベルト達と軍学校時代の友人。料理は趣味だったがギルベルト達の事情を知り将来の菊の味覚をあんじて料理の修行に出る。
行く先々で色恋沙汰を起こしつつも腕を磨き一流の料理人へ。現在は日々の仕事をこなしつつも菊の故郷である極東の料理の研究をしている。
2018/09/21(金) 01:42 護衛騎士と主君 PERMALINK COM(0)
10月7日に開催されるCOMIC CITY SPARK13に参加します。現在新刊の原稿中です。
護衛騎士と主君の小説を進めています。


licht線画
2018/09/17(月) 08:15 お知らせ PERMALINK COM(0)
「ギルベルトの余裕のない顔が見てみたいんです」

むせ返るような暑さの日々も徐々に和らぎ、穏やかに秋に近づき始めたある日のお茶会でぽつりとこぼれた言葉にエリザベータは己の主を見上げた。
「…え? 菊様、それは…」
「…あ! いえ! その、そういう意味ではなく…」
その言葉がどういうふうに捉えられたか察した菊の顔が瞬時に真っ赤に染まった。
「あー、まぁ…あいつ基本的に無表情ですからね…」
その真っ赤な顔があまりにかわいく…いや申し訳なく、言葉を返す。主についつい不埒な思考を働かせてしまう己の行動を少々改めねばならない。
この国の第十三王子、菊を守る護衛部隊の隊長、ギルベルト・バイルシュミット。泣く子も黙るどころか屈強な騎士すらその顔を見れば青ざめる。冷酷無慈悲と言われた元王国騎士団長でバイルシュミット公爵家の次男。運命の子の中でも希少な『銀の子』。そして目の前の小さな主の恋人だ。
「エリザベータやローデリヒならば表情の変化もわかるでしょう? それがちょっと羨ましいのもあります」
私は主としてはまだまだですねぇ。とふわりと微笑むその顔はとても齢十六とは思えぬほどに達観している。
「でも、菊様といるときはだいたいあいつ、百面相してますよ」
「? そうなんですか?」
今は鈍い琥珀色の瞳を大きく瞬かせ小さく首を傾げる様は年相応、いやそれ以上に幼い。成る程これはひと目見たら守りたくなる者が続出するのもうなずける。うちの主可愛い。今年の護衛騎士採用試験は例年の数倍にも跳ね上がっていたな、と一人納得していれば視界の端の扉が目に写った。
「うーん…灯台下暗しといいますか…そうですね、菊様ちょっと…」
内緒話をするようにちょいちょいと手招きすれば可愛い主はすんなりと自分の横に移動する。
「菊様にだけ、効果がある言葉があります」
「私だけ…」
「そうです。眠る前にこう言えば良いんです」
真剣な眼差しの主にそっと耳打ちすれば徐々にその顔が再び赤く染まる。
「え、エリザベータ? 私に一体何をさせる気で…うわっ!」
その場面を想像してしまったのか羞恥で首まで真っ赤にした主が視界から外れる。
替わりに現れたのは己と同じ漆黒の軍服に身を包んだ銀色の人物。
「エリザベータ、何吹き込んでやがる」
「別にあんたに利害があることは何も言ってないわよ。それよりあんたの大事な恋人に今のその顔見せてやりなさいよ。きっと喜ぶわよ」
「はぁ?」
「え? え? いまギルベルトどんな顔しているんですか?! ちょっと下ろしてください!」
ものすごい形相でこちらを睨んでいたかと思えば今度は頭に疑問符が乗ったような困惑顔に変わり、肩に担いでいる主をちらりと見つめる。
「…どういうことだ」
「まぁまぁ、今夜は楽しみにしてなさいってね。ねぇ菊様?」
エリザベータの言葉にジタバタと暴れていた身体がピタリと動きを止めた。
「うぅ…私の心臓のほうが持ちません」
「対価を得るには多少なりとも代償が必要ですよ。菊様頑張ってください」
その後の代償のほうが大きくなりそうだ、とは言わずニッコリと微笑むとギルベルトは小さくため息一つこぼしそのまま去っていく。
ああ、これは今からだわ…と先程決意したばかりのことを破ってしまうが仕方がない。自分の周りが楽しいのがいけない。
広くなった部屋で一人楽しく今日の日記の内容を固めていれば控えめに扉が開かれた。
「遅れてしまいましたね。おや…? ギルベルトが向かったはずですが。菊の姿もありませんね」
穏やかで落ち着いた声がまるで心地よい音のように紡がれる。
「あ、ローデリヒさんいらっしゃい。菊様ならさっきギルベルトが連れ去っていきましたよ」
廊下ですれ違わなかったのならば二人が向かう先は一つしか無い。この館の一番奥。我らが主の寝室だ。
「そうですか…。なにか収穫でもあったんですか? エリザベータ、顔がほころんでいますよ」
定位置の席に腰を下ろしたローデリヒに、あたたかい珈琲を淹れていればなにかいたずらを見つけたように小さく笑う。口元のほくろが彼の上品さを際立たせているように思えた。
「ふふ…まぁいつものですよ。ローデリヒさん」
そう言って微笑み返した自分の顔はきっと”いつもの”笑顔なのだろう。
いつもの、を察したローデリヒがゆっくりと珈琲カップを傾ける。

二人から見れば私もきっと百面相になったのだろうな、とエリザベータは己の胸につぶやいた。

いつもの01いつもの02いつもの03いつもの04いつもの05
2018/09/16(日) 19:54 護衛騎士と主君 PERMALINK COM(0)
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